前回、『【知らなきゃ損!】503エラーの原因とWeb屋がやっている対処法』という記事を書かせていただき、503エラーを防ぐ重要性をお話ししました。
503エラーは、「サーバーへの同時アクセス数の制限を超えているため、訪問者の閲覧を制限している」状態のことで、このエラーが出ると、一時的にサイトにアクセスできなくなります。
そして、この503エラーは、契約するレンタルサーバー会社によって出やすいかどうかは異なり、1台のサーバーをたくさんのユーザーで利用していて、一人あたりの費用が安いサーバーほど、503エラーがでる可能性が高くなるということをお伝えしました。
つまり、“安さだけ”で比較し、レンタルサーバーを選ぶことはリスクが高いのです。
もちろん、レンタルサーバーによっては、価格以上の性能をもっているサーバーもあるので、「安いサーバーはダメ」とは一概にはいえないのですが、安いサーバーには“安いなりの理由”があるというのも事実です。
サーバー選びは、その後のサイトやブログの運営にも大きく影響してきます。
ネットに散在している「レンタルサーバー 比較」の記事に振り回されることがないように、正しい知識を身につけ、自分のサイトにあった適切なレンタルサーバーを選べるようになりましょう。
また、費用がかかっても、よいレンタルサーバーを選ぶことは、あなたのサイトを訪問してくれた貴重なアクセスを逃さないための投資と思って、安さだけで比較せず、慎重に選んでください。
レンタルサーバー選びで、最低限抑えておきたい5つの比較ポイント
WEB集客を行ううえでの理想的なレンタルサーバーを選ぶ比較ポイントをご紹介します。
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503エラーが出にくいレンタルサーバーを選ぶ
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ネットワーク回線が強いレンタルサーバーを選ぶ
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「スペック」に気を配る
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「自動バックアップサービス」が付いているレンタルサーバーを選ぶ
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サポートの品質が高いレンタルサーバー会社を選ぶ
1、503エラーが出にくいレンタルサーバーを選ぶ
前回、『【知らなきゃ損!】503エラーの原因とWeb屋がやっている対処法』という記事でも、現在のWebでは、ソーシャルメディアからの急激なアクセス増加をいかにうまくさばくかが大切だとお伝えしました。なぜなら、TwitterやFacebookなどでシェア・拡散されると、急激なアクセスが集まり、その結果「503エラー」が出やすくなってしまうケースが増えてきたからです。
そして、この503エラーはレンタルサーバーが「同時アクセス数の制限」をしているからです。
同時アクセス数の制限を設定することで、サーバーへ急激な負荷がかからないようにしています。サーバーに急激な負荷がかかると、サーバーの処理速度が落ち、安定稼働ができなくなってしまうのです。
共用サーバーはひとつのサーバーを複数ユーザーで使うことで、一人当たりのサーバー使用料を安くしています。そのため、もし、一部のユーザーのサイトで急激なアクセスが発生してしまうと、サーバー全体の処理速度が落ちてしまい、同じサーバーを使っているほかのユーザーに影響が出てしまいます。そうならないように、あえて同時アクセス数の制限を厳しくかけているのです。
安い共用サーバーは、一人あたりの使用料を安くしている分、たくさんのユーザーで1つのサーバーを使っている可能性があります。安い共用サーバーほど、503エラーが出やすいというのもそのためです。
これをふまえて考えると、503エラーを出さないためにも、つぎの2点に注意して、サーバーを選ぶとよいでしょう。
- 安さだけを強みにしている共用サーバーを選ばない
- 共用サーバーではなく「専用サーバー」を検討する
ちなみに、「専用サーバー」であってもサーバーへの急激な負荷を防ぐため503エラーは発生する場合がありますが、専用サーバーは一台のサーバーを独り占めできるので、共用サーバーよりも503エラーが出にくい傾向にあります。
もし、Google Analyticsのリアルタイムアクセスが「500」を超えることが何度かありそうなサイトであれば、503エラーによる機会損失を防ぐという意味で、専用サーバーを検討してみてはいかがでしょうか。
専用サーバーは費用の面では決して安いとはいえません。しかし、いくつものサイトを格納することができますので、たくさんの共用サーバーを借りるよりも、結果的に安くつく場合もあります。
ネットワーク回線が強いレンタルサーバーを選ぶ
レンタルサーバーを比較するときに、チェックしておきたいことに、「ネットワーク回線」の強さがあります。実は、ネットワーク回線が弱いと、アクセス急増によって回線がパンクしてしまい、サービスが停止してしまう恐れがあります。
画像などを多用しているサービスでは、データ転送量も多く、たとえば250KBのデータ転送量が必要なコンテンツの場合、1人のユーザーがサイトをみるだけで1.95Mbpsの転送量が発生します。
もし、10Mbps共有回線(ベストエフォート)のサーバーだった場合、10 ÷ 1.95 = 5.1となり、同時に「5アクセス」発生しただけで、回線容量をオーバーしてしまいます。仮に100Mbpsだったとしても、約10倍の「51アクセス」が同時に来れば回線容量をオーバーしてしまう計算です。
そして、SNSなどのソーシャルメディアが普及した現在では、拡散などにより、同時に51アクセスというのは、日常的に起こりうる数字なのです。
回線容量をオーバーすると、サイトは表示されません。
つまり、どれだけサーバーのスペックが高く、503エラーを防ぐための同時アクセス数の制限がなかったとしても、回線容量を超えてしまうと、ユーザーはサイトを見れなくなってしまいます。
また、サーバーを選ぶときは、サーバーが設置されている「場所」にも気を遣いましょう。
サーバーが海外(アメリカ、シンガポールなど)に設置されていると、「サーバーの応答」が遅いケースがあるからです。
さらには、サーバーによっては、月間データ転送量に上限を設けている場合もあります。
もし、このデータ転送量の上限に引っかかってしまうと、せっかく訪れたユーザーがファイルをダウンロードできなくなったりするので、くれぐれも注意してください。
「スペック」に気を配る
サーバーの「スペック」とは、CPUのクロック数がどれくらい早いかや、メモリはどれだけ積まれているかといったことを指します。
共用レンタルサーバーのプランでは、一台のサーバーを複数ユーザーで共有するので、利用できるスペックを安定的に確保することができません。
しかし、専用サーバーならサーバーをひとり占めしているので、安定的なスペックを確保することができます。そのため、安定できるスペックが確保可能な専用サーバーを借りる際は、各サーバー会社のマシンスペックを照らし合わせながら、選ぶようにしましょう。
「自動バックアップサービス」が付いているレンタルサーバーを選ぶ
サイト更新のときに、間違って、大事なファイルを消してしまった・・・!
サイト更新のときに、間違って、違うソースの重要な部分を変更してしまった・・・!
WordPressのテンプレートを編集していたら、画面が真っ白になってしまった・・・!
こんなときに、サーバー側で自動バックアップされていれば、そのバックアップから復旧できます。
あなたが選ぼうとしているレンタルサーバーに自動バックアップサービスが付いているかどうかは、必ずチェックしておきましょう。
サポートの品質が高いレンタルサーバー会社を選ぶ
基本的に、サーバーは365日24時間体制で常に稼働しています。いくら安定性を重視されているとはいえ、機械であることに違いありません。そのため、経年劣化による不具合はいつか必ず生じます。
サーバーに不具合が生じた場合には、どれだけ早く復旧できるか?ということが重要となります。
そのため、レンタルサーバー選びを比較するときは、サポート品質に力を入れているサーバー会社を選ぶようにしましょう。
安物買いの銭失いにはならないように
最近では、500円程度から借りられるレンタルサーバーが増えてきています。
安いサーバーは絶対ダメ。というわけではありませんが、今回お話ししたような視点でレンタルサーバーを選ぼうとした場合、それらの安い共用レンタルサーバーがあなたのWebビジネスを支えるだけのポテンシャルを持っているかどうかを十分に判断してからレンタルサーバーを契約するようにしてください。
また、安い割には高スペックなサーバーが今後出てきたとしても、そういったサーバーはすぐに人気が出て、あっという間に収容人数が激増して、結果的に重くなりやすいということも憶えておくといいでしょう。
レンタルサーバーの種類別比較
契約するレンタルサーバー会社が決まったら、次はどの種類のサーバーにするかというところで悩むかと思います。
先程から何度も出てきている「共用サーバー」という言葉もサーバーの種類のひとつです。この共用サーバーは、サーバーの種類の中でも、もっとも手軽な種類に属します。そのため、本来は大規模なサイトの運営には向いていません。
では、サイト規模別にどんなサーバーを選べばいいのか?ということをこれからお話しします。
レンタルサーバーは大きく分けて5種類に分かれる
一般的に、レンタルサーバーの種類には大きく分けて次の5種類があります。
- 共用サーバー
- 専用サーバー(マネージド)
- 専用サーバー(ルートフリー)
- VPS
- クラウド
聞き慣れない言葉で難しそうに感じるかもしれませんが、ご安心ください。
主要な4プランに関してざっくりと表にまとめてみました。
共用サーバー | 専用サーバー マネージド |
専用サーバー ルートフリー |
VPS | |
---|---|---|---|---|
サーバースペック | 低い | 高い | 高い | 高い |
拡張性、カスタマイズ自由度 | 低い | 普通 | 高い | 高い |
ユーザーに必要な知識度 | 初心者 | 初心者以上 | 中級者以上 | 中級者以上 |
運用、管理 | サーバー会社任せ | サーバー会社任せ | 専門知識が必要 | 専門知識が必要 |
その他 | ほかのユーザーの影響を受けやすい | ほかのユーザーの影響は一切受けない | ほかのユーザーの影響は一切受けない | 仮想サーバーだが、 ほかのユーザーの影響を受けにくい |
503エラー出現度 | 出やすい | 出にくい | 出にくい | 出にくい |
ある程度サーバーの知識がないと、自分のサイトに合ったベストなサーバーがどれなのか見分けにくいものでもあります。
そこで、私がオススメしたいのは、「専用サーバーのマネージドプラン」です。
値段は高めですが、503エラーが出にくいですし、回線強度も充分で、ややこしい設定はレンタルサーバー側で対応してくれるので、専門的な知識は必要ありません。
サーバーの知識があまりない方や、これから勉強していこうと思う方は、「専用サーバーのマネージドプラン」で契約しながら少しずつサーバーの勉強をしていくことも可能です。
もし、既にレンタルサーバーを契約しているという方は、無料の乗換サービスなどをやっているところもあるので検討してみていいかもしれません。
おすすめしたいレンタルサーバー
CPIレンタルサーバー
CPIの専用サーバーの回線は、レンタルサーバーの中では最高峰の「1Gbps」というネットワーク回線が提供されています。また、データベースやマルチドメインも無制限で使用でき、自動バックアップもついているので、サイト更新時の心配もなくなります。さらに、24時間365日、専任スタッフによる電話サポートもあるので、夜間の急なトラブル・不明点などで困ったときもすぐに対応してくれます。
エックスサーバー【X2】
エックスサーバーも、CPIと同じくデータベース・マルチドメインが無制限で使用でき、自動バックアップもついています。また、電話サポートも24時間365日ついているので安心です。エックスサーバー利用者の場合、ドメイン優待割引があるエックスドメインでドメインの取得までできます。CPIレンタルサーバーと比べると値段がちょっと高めです。
さくらのレンタルサーバ/マネージドサーバ
「さくらのレンタルサーバ」「さくらのマネージドサーバ」は、個人から法人まで幅広く利用されているレンタルサーバサービスです。月額換算129円からの「さくらのレンタルサーバ」から、高速ストレージSSD搭載モデルなどを占有できる「さくらのマネージドサーバ」まで、さまざまな用途に対応できる全7プランあります。WordPressなどのCMSインストール機能やブログ、独自ドメインも使えてメールアドレスは無制限で使えます。また、複数のデータベースやセキュリティ機能を標準装備したプランもあり、すべてネット上のコントロールパネルから設定できます。
エックスサーバー
レンタルサーバー『エックスサーバー』は、安心と快適さを兼備した高性能レンタルサーバーです。高い品質を誇るレンタルサーバーサービスを、手ごろな料金で利用できます。高速性を重視し、最新16コアCPU(Xeon E5シリーズ)+192GBメモリ+オールSSD RAID10を採用!月額900円(税抜)から、大容量200GBからの高コストパフォーマンス。
DTI ServersMan@VPS
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【JETBOYレンタルサーバー】
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